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日々の気づき 視覚障害を持つ声優としての挑戦

経験から感じた~全盲の声優はまずナレーションを鍛えよう

みなさんこんにちは。直也です。

先日まで、通っているワークショップでボイスサンプル収録月間でした。
その名の通り、毎回二つほどボイスサンプルを収録しつづけていたときだったのですが、
そこで、全盲の声優として活躍するならセリフよりナレーションのほうが可能性がありそうだと思ったので、今日はそのお話です。

演技に必要な「想像する」という観点から見ると

芝居の世界で生きる人であれば、演技のためには想像することが必要なのはもうお判りでしょう。
経験から作り出される引き出しと、過去作品などのインプットから作られる引き出しを総合して、自分の演技を完成させます。

私が5年ほどマイク前で演技をしていてやっと気づいたことがあります。
それは、映像を把握していない自分は、既存作品からはキャラクターの細かい動きを知れていなかったということです。
当たり前と言えば当たり前ですね。結局、映像が見えなければ音で作品を楽しんでいるわけで、たとえばキャラクターの位置関係がどうだからこんな声になるといった対応付けが、私はできていませんでした。

そのため、ボイスドラマの収録時やセリフのサンプルを収録するときはとても苦労しています。

ナレーションは写真や音を想像するもの

では、ナレーションではどうでしょうか。
ナレーションの場合、掛け合いはあまりありません。あっても、別に相手との距離感を意識しながら会話をすることはめったにないはずです。

ナレーションのサンプルを収録していて講師によく言われることは、
「対象物を想像すること」です。
つまり、どこかの町を取り上げるならその町の広さやにぎやかさを想像しながら、
危険な状況を取り上げるなら、その状況を想像しながらナレーションをすることです。

もちろん、私が行ったことない場所、知らない場所はたくさんあります。
ですが、これらは情報を集めればわりとすぐに想像が完成するのです。

「対象を想像すること」というディレクションを受けた後は、とくに苦労はしていません。

なんでセリフではできなくて、ナレーションではできるのか。
そう考えたとき、
ナレーション=写真や音のような想像
という式が成り立つのではないかという結論にいたりました。

つまり、ナレーションをするときに行う想像はリアルタイムに変化しなくていいわけです。
その点で、全盲の私でも比較的に想像がしやすく、感情を乗せやすいのだというのが私の考察になります。

セリフは動画を想像するもの

逆にセリフはどうでしょうか。
最初にも述べましたが、セリフではつねに相手が変化しますし、距離感や体制が変わります。
同じように近い距離でも、細かく分からなければリアルな声の演技は難しいです。
そして、それを成立させるには、実際にやってみるしか方法がない気がします。

なーんて言っていると、もうちょっと舞台をやればよかったと思えてきますね(笑)。

今後の可能性はいったい?

いかがでしたでしょうか。
今回の考察は、先天性の全盲である私のものです。
少しでも見えていた記憶がある人は違うかもしれませんし、
ナレーション=写真
が成り立たない人もいると思います。

全盲声優の一つの経験として、心にとどめていただければ嬉しいです。
さあて、ナレーション頑張ろう!!

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